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幹を曲げておき、そこに取り木をかけていくこともよく行なわれる。 前者は切り込み作りのオーソドックスな方法で時間は必要になる。 後者は1曲作り(立ち上がり部分に曲のある素材)の方法で、足元だけの面白さを利用し取り木後の鉢作りで仕立てていく。 畑作りから堀り上げる際には枝は長めに捨て切りする。 必要なところまでいきなり切りつめず余分に残しておく。 しばらくして、芽が吹いてからそれを確認して再び目的の部分まで切りつめる。 つまり芽吹き後に剪定というのがシシガシラの基本である。 落葉後すぐに剪定したいのは当然だが、シシガシラの場合葉が開いてから切り込んでいく。 したがって畑上げの例では余分に長く枝を残しておいて、後に芽吹いてから切りつめるというのが通例なのである。 取り木は比較的発根しにくいとされ、性による差もあるといわれている。 特に鉢作りの接ぎ木樹のシシガシラは取り木の成功までには時間がかかることが多い。 一度白根徹となったシシガシラはよく取り木がきくともいわれている。 庭木の白根樹では細枝などは簡単に取り木が可能で、前述のように、新梢をひねっておきその基部に取り木をかけると簡単に好素材が得られるのである。 写真の取り木の試みでは枝先の小さな枝岐れ部分を利用しようと考えているところ。 後の培養によってどのような樹形もできる。 切りつめたり、樹勢が集中するところでは何本も小枝が発生する。 しかも直線的に太くなりやすい。 ゴツゴツとした短枝の切り戻しが多くなるのはこのためである。 できるだけ枝はやわらかく作りたいのはシシガシラも同様。 1か所から何本も出る芽をそのままにするとその枝基は太くなる。 基本的には2本の芽を残し(2岐)ていくのだが、樹作りの途中では、どこかに走る枝を用意しておいて、樹勢を逃しておくのもよい。 樹勢をつけてから全部を同等に切り込むと、強い枝からは数多く吹く。 芽をかき取っても性質上、枝は直線的に目立ちやすくなる。 そこで長めに残したり、短く切りつめるなどして1本の樹のなかで樹勢を逃がしたり追い込んで細枝を残したりするテクニックが有効である。 |