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一才グワは盆栽素材としはきわめて有望な樹種である。 クワが盆栽になり、しかも実も付けるとなれぱ人気がでて当然。 盆栽には古くから作られていた一才性のタイプが普通で、品種としてはこの個体が長く作られている。 よく知られた一才グワであるが生産はごく少ない。 園芸品でも地味で実をつけない限り商品価値は低いためか、プロの作る素材はほとんど見られない。 一才性という名前からすると、いくらでも分枝し、小枝もでき傷も巻きやすいという印象だが、面白いことにすべて反対。 つまり素材作りにはまことにやっかいな樹種である。 さすがに小さくともクワの樹で、荒々しい枝をバラバラと伸ばし、先端にだけ新芽を伸ばし、太い枝を切ると巻きにくい。 最後の傷が巻きにくいという点が難所。 畑で走らせても巻かない。 つまり太枝をスパッと切ることは向いていないようである。 したがって挿し木は古枝挿しのような部分を用い、じっくりと作ることが合っている樹である。 葉刈りもできるがあまり良い結果は得られない。 多少小枝が増える程度。 そこで切り込み(1〜2年枝か中心)を重ね、新梢に針金をかけて曲付けしていく方法が良いだろう。 細く枝岐れした太幹のクワは素晴しいものだが、年月がかかる。 もしそうした作品を見れぱ作出したくなる樹種なのだが。 |