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杉は普通真っ直ぐに立ち上がっています。 全国のどこの杉も真っ直ぐです。 北山の台杉も直立する杉を床柱として育てたものですね。 盆栽としても杉は直幹とする貴重な種類です。 葉も細かくて大木感のある直幹樹種は他には蝦夷松やケヤキくらいです。 杉は直幹専門の樹と言えるくらいです。 素材の太らせ方に二通りの捨て枝が有ります。 天辺を伸ばして太らせてから切り飛ばす方法と、枝を捨て枝として伸ばして太らせる方法です。 私は枝を捨て枝として伸ばす方法が良いと思っていますが、好みの問題です。 捨て枝が大きくなったら切り捨てますが、ジンとして残すと良く、切断時期は休眠期のほうが悪影響が出ません。 夏は葉が枯れたりし易いので芽摘みなどでも葉を切らないようにします。 杉は年月と共に良くなります。 幹が縦に繊維が荒れて古木の相を出してきますが、青い葉が枯れて茶色になりそれがささくれ立って剥げて来るまでに確実に年月が必要なのです。 古木の幹を持つ直幹樹は杉に代わるものが無く、小品飾りにおいて自然の景色の広がりを出せると言われます。 |
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杉は水分の豊富な谷筋に生え、根元を水が流れている位水が好きです。 尾根筋であっても雪が深く積もる場所で雪解け水に潤い決して乾き上がる所ではありません。 巨木の連なる立山杉は溶岩台地に根を下ろしていても雪深く湿潤な場所なのです。 山を下り、黒部扇状地の末端は三角州にならず直接日本海に落ち込みますが、海に近くなると伏流水が地表に湧き出し、沢と呼んでいます。 湧き出した水をしょうずと呼びます。 水が欲しい場合は鉄管を砂利に打ち込めば噴出してきます。 この水は年間を通して12℃を保っています。 沢には主に杉が生えています。 冬には海で湿って重くなった雪が杉の枝にも沢山積もり枝を折ってしまいます。 何年かぶりの大雪には幹も折れてしまいます。 しかし、低い所の枝は押しつぶされて地面に這いつくばります。 しょうずが暖かいので、暖かい土地の植物も生えているのです。 やがて枝も先から立ち上がって幹となり大きく育ちます。 このようにしてのたうち回る沢杉になるのです。 |
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