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亜寒帯に生える常緑高木です。 高さ 20 〜 30 メートル,直径 1.5 メートルにもなります。 花は 6 月頃開き,秋に成熟します。 樹全体の雰囲気は柔らかく優雅と言えます。 青年の頃、冬山登山でラッセルしていると、米栂の小枝が細かく枝分かれして小さな葉を付けてその上に雪が氷付いている。 なんだか中がフックラとして暖かそうだった。 盆栽としての米栂は、成長が遅いが寒地に育つ風情のある植物です。 手入れとしては、傷口はふくらみ、整枝もなかなか言うことを聞いてくれなくて難しい。 しかし、細い枝に小さな優しい葉が可愛い。 春の新芽時は明るい緑葉が萌え出してとても綺麗です。 旅行の時、芽生えたての実生を持ちかえり20年経つが小さく細い。 幹肌にひび割れが少し出て来た。 この枝を砂に挿し木したものは、かなり成長が早く大きくなったが木肌はすべすべしている。 大きく育てて庭木にしたいと思っています。 |
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米栂は海抜1500メートル位の深山に生育しています。 細かく深みのある葉を持ち艶もあり優しい。 新芽は若緑でその美しさは得もいわれぬものがあります。 幹肌はつるつるした若木から古びてくるのは遅いが独特の味があります。 山取りの米栂は活着が悪く殆ど枯死してしまいます。 一旦、活着すれば丈夫ですが夏の暑さはこたえるので涼しく半日陰にしてやります。 東京などの熱帯夜は耐えられないかもしれません。 都会を離れれば、暑くてもけっこう丈夫に育ちます。 栂は平地でも丈夫に育つ種類です。 根の成長も遅く植え替えも細根を余り切らずに丁寧に植え込みます。 大変美しい新芽を柔らかいうちに手で摘み取ります。 せっかく綺麗に成ったものを取るのは後ろ髪を引かれる心地ですが、小品盆栽にするためには必要です。 この芽摘みによって前年枝にも芽をもつようになり間延びを防げます。 小枝が混むと良く見えますが内側が枯れ上がるので枝を透かして内部にも日光を入れるようにします。 大変樹の太りが遅いのです。 太らせる方法としては、土の環境を理想的に良くすると枝元にも芽を持ちやすいのでそのような状態で捨て枝を疎らに伸ばして太らせると良いでしょう。 ヘタに伸ばすと小枝が枯れ上がってしまいます。 一般的な植物に関して。 米栂はあまり肥料を多くしない方が良いと思います。 根から吸収した栄養素を葉で光合成で作ったデンプンとで植物の組織に作りあげます。 光合成は葉や一部の幹にある葉緑素で行なうために盆栽では大変少なく、幹や枝が大きく葉は小さいことを求めて育てているのでいじめているのです。 炭酸ガスと水でデンプンを作るので水は必須です。 そこで理想的な水について考えてみます。 鉢土に混ざっている水を根の根毛や根菌の菌糸が吸収し小根から幹へと流れます。 鉢土の状態で根毛や菌糸の活性が左右されますから水分を吸収する能力は鉢土の状態で決まると考えられます。 鉢土は鉢底までの薄い世界だけですから、重力水や毛管水の動く距離が大変短いのです。 水を掛けた直後には鉢底に重力水が溜まっていて表面まで毛管水が繋がっています。 重力水の上面は土の粒子の大きさで変わるでしょうか。 細かくなると全てが毛管水で満たされてしまいます。 植物はこの水を吸収して葉の気口から蒸発させ、逆に炭酸ガスを取り込みます。 気口が開いている時が植物が活発に光合成を行なっている時なので水分の吸収も活発なのです。 暫らくすると鉢一杯の水も吸収されてしまいます。 そうなると挿し木した根の無い植物のように気口を閉じてデンプンを消費する状態になります。 盆栽が自ずから鉢内に蓄える水量と蒸発する水量のバランスが取れるよう枝葉を調整して育てば良いのですがそうはなりません。 うっかりすると、根毛や菌糸を傷めてしまうのです。 毎日見回り適当な潅水を行なえば早く回復しますが、失敗すると根腐れとなります。 観葉鉢で2重になっていて下の水貯めと上の埴土とを導水紐で連結したものは良い状態を長く保てるようになっています。 盆栽においては鉢の大きさと盆栽の大きさとのバランスも重要な要素なので潅水のタイミングが重要です。 水やり3年は必要かもしれません。 |
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米栂 ベイツガというのはアメリカ産の材木。 コメツガとは違います。 |
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