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寒ぐみとは、なわしろぐみ (苗代グミ)の盆栽用選別品。 日当たりの良い暖地の山の、乾燥気味の土地に生える。 海岸付近にも多い。 10〜11月、秋たけなわの頃長さ1cm位の筒状花を咲かせ、花には小斑点が全体にあり、花の香は集団で咲くと強く匂う。 葉は厚めの楕円形で長さ5〜7cmで、表面は光沢がある。 実は苗代が出来る5月ごろ赤く熟し食べられるが少し渋い。 幹は黒くがっちりして見えるが、割と軟弱です。 根伏せも出来、渋みが充分あるので日曜小品盆栽には良い樹種です。 寒ぐみの小品盆栽は人気があるようです。 持ち込み品は風格があり幹肌は黒く荒れて来ます。 |
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太幹の小品盆栽は難しいようでたくさんは有りません。 鉢では太くなりにくく、太い樹を小さく切り込んだものは枯れやすいからです。 寒ぐみは根伏せが利くので太い根を利用して太く短い素材の作出は容易なのです。 成長は早いので枝作りも容易にできます。 長く鉢に収めて耐えられるが、時には仕立て鉢かビニールポットで緩めると良いでしょう。 年輪の中で活性のある白身部分の断面積が限度以下になると上部の生命が失われるために、鉢を緩めて成長を促して木部の新生部を増加させるのが目的です。 ぐみは根粒菌があり窒素分が豊富なために木部が柔らかく腐り易いことと、キズが巻き難いことです。 木材腐朽菌が入ると下の切り口と上の切り口があっという間に繋がって空洞になります。 長く持ち込むためには、傷からの腐食スピードと新生部の増加との競争をせず、傷の防腐対策を丁寧に行うべきであります。 注意すべきは切り口から腐敗が早く進みますから、グリスのような防腐剤を塗り染み込ませて置くと良いのです。 |